起業家同士が出会う先に新たなものが生まれる。ヤフーへの事業買収と「HowMa」が生まれたキッカケ
浅海さんと岡崎さんの出会い。 ドリパスをヤフーに売却したエピソード。 そして、「HowMa」が生まれた誕生秘話。 コラビットと「HowMa」の前身を作ってきた2人の起業ストーリーに迫る。(前半)
──出会いのキッカケはエンジニアの重要性を痛感したこと。
聞き手 浅海さんと岡崎さんの出会いってどんな感じだったんですか?
岡崎 僕が博報堂に在籍していた時に、同期と株式会社ブルームという会社を作ったんです。 そこでドリパスというサービスを作っていて。
*ドリパスとは?(Wikiより) 映画館と提携し、ユーザーの観たい映画の劇場チケットを販売するサイト。 一定以上の購入数が確保出来れば成立となるギャザリングの仕組みを使って興行のリスクを分散させている。 2010年8月よりサービス開始。2013年3月に同社の全株式をヤフーが買収し、同年6月1日より運営主体をヤフーに変更。 『ヤフーが映画館でのオンデマンド上映を実現するドリパスを買収』 ※現在はTOHOシネマズ株式会社が運営
聞き手 ドリパスの構想をお持ちで起業されたんですか?
岡崎 なんとなく。。。 ただ、創業者も僕もネットについては知識0。 恥ずかしい話、当時サービスのことをホームページって呼んでいたくらい。(笑)
聞き手 意外すぎます。(笑)
岡崎 サービスはコアなコンテンツファンには非常に喜んでいただけたものの、スケールさせるのが非常に難しく… 投資家からはマーケットを見直せとか、モデルを変えろとか色々と言われまくった(笑)
聞き手 どうしてですか?
岡崎 当時の映画市場って年間2000億円くらいの規模だった。 でも、僕らが扱ってたのは旧作のみで市場規模換算をすると10%程度。 しかも、旧作の映画を見ることって大体年数回程度だった。
聞き手 なるほど。
岡崎 当初はギャザリング決済システムをOEMで提供してもらってて、サービス自体の作りも現状のものと比べると全然ダメで。 そこで、エンジニアの存在と重要性を痛感した。 だから早急にエンジニア採用をしようと。
聞き手 そうなんですね!
岡崎 エンジニアの知り合いなんかいるはずもなく、 エンジニア採用するために、みんなで色々なイベントに参加して名刺交換しまくった。
聞き手 地道な活動をされたんですね。
岡崎 めっちゃやったよ! で、あるイベントで知り合ったエンジニアの方に紹介されたのが浅海だったの。 イケてるエンジニアですよ!と。
聞き手 そんな出会いだったんですね! 浅海さんはすでにコラビットを創業されていたんですか?
浅海 うん、してた! ただ、HowMaとかは全くやってなくてWebサービスやアプリの受託案件とかを請け負ったり、CMSサービスを作っていたり。
聞き手 そうなんですね。 当時、川原さんも既にコラビットにジョインされてたんですか?
浅海 うん、してたよ! ドリパスの仕事も僕と川原で担当したの。(笑)
聞き手 これが歴史的な出会いですね!
岡崎 もう痛い目見まくってたからね…。 受託でいろいろな企業に依頼しては、うまくいかず… コストめっちゃかかって… 頼む~って気持ちで、コラビットに発注した。(笑)
聞き手 そんな状況やったんですね… それからどうなったんですか?!
岡崎 見事なくらい思い描いていたサービスに仕上がっていって。 この時の体験が、自分の中で結構大きく残っていて。 エンジニアが最大限自由にアウトプットできる環境をつくることが自分の役割なんだろうなと思った。
聞き手 なるほど。
岡崎 で、浅海さん、川原さんうちきてよって声かけた。(笑)
聞き手 そうなんですね。(笑)
浅海 そうそう。(笑) 当時のブルームは、ドリパスをやっていたんだけどそだけで稼ぐには程遠い状況だった。 岡崎が広告案件とかコンサル案件とかで一人で数百万くらい稼いでた状況。
聞き手 そうなんですね!
浅海 で、ドリパスを早くグロースするためにってことでジョインした。
聞き手 なるほど。
浅海 すると…
──ジョイン後3ヶ月でヤフーへの買収が決まる…!
聞き手 すると…?
浅海 幸い?なことに、僕と川原がジョインした3ヶ月後に買収が決まった。(笑)
聞き手 あーヤフーへの買収ですね!
浅海 そうそう。 ロックアップ期間があったので、僕も川原も岡崎も当時の社長もヤフー入りした。
聞き手 引き続きドリパスの開発をメインにやられていたんですか?
浅海 そだよー! あとは、ヤフー内の別事業に関わったりいろいろやった。 あっという間のロックアップ期間が過ぎ…
──次ナニヤル?
聞き手 次どうする?って話になりますよね。
浅海 そうそう、ヤフーやめて次何する?って期間に突入。
聞き手 また新たなサービスを作ろうと考えられたわけですよね?
浅海 そうね。
岡崎 いろいろ浅海と話したね。 で、ドリパスの時に散々フィードバックされたマーケットサイズを考えた。
聞き手 教訓を生かされる時が来たわけですね。(笑)
岡崎 そうそう。(笑) 自動車、金融、不動産、人材、飲食…etc
浅海 どうせやるのであれば大きな市場でやりたいよねって感じだったね。
聞き手 で、不動産に決めた理由はこれがきっかけだったんですよね?
岡崎 そうそう、浅海が実際に体験した家ロックアップ事件ね。 その時にこれだ!って思った。
聞き手 なるほど。
浅海 当時岡崎と話し合って、日本地図上に地域ごとに不動産の売買金額を載っけてみようってことになって。
岡崎 マウスを置くと地域や周辺の不動産売買の金額が表示されるような感じのマップだね。
聞き手 まずそのマップを作られたのはなぜだったんですか?
──我が社の強みは「不動産業界の素人」だったこと。HowMaの誕生秘話。
岡崎 僕も浅海も不動産業界は全くの無知。 不動産について勉強しようということで作ったのが本音。(笑)
浅海 不動産の価格を見える化するっていうコンセプトはあったので、それだけはブラさずにって感じで。
聞き手 なるほど。
浅海 この辺は高いんだぁ~!この辺は意外と安いんだぁ~!って感じで。(笑)
聞き手 (笑)
浅海 でも実際にその価格が適正なのかとか、そもそも本当にその価格が正しいのか?は全くわからなかった。
岡崎 そこから値段が決まるロジックとかを勝手に分析してみたり。
浅海 そうそう、査定のいろはを知ることに注力した。
聞き手 めっちゃ楽しそうですね。
岡崎 で、自宅住所を入れて自宅査定ができる機能を作った。
聞き手 今の「HowMa」の原型ですね!
浅海 僕の自宅を査定したって話に繋がるんですよ。
聞き手 「HowMa」が生まれた瞬間ですね。 そこからユーザーが一気に使ってくれるようになったんですか?
浅海 紆余曲折あったけど、そうなった!
──HowMaのポテンシャルが開花?予期せぬところからのオーダーが相次ぐ。その理由とは?
聞き手 「HowMa」ってユーザー向けには無料でサービス提供されていると思うんですが、 一方で事業者向け(toB)向けにもサービス提供されているんですよね?
岡崎 してるよ!
聞き手 営業とか結構されたんじゃないですか? 業界的には全く新しいサービスだと思いますので啓蒙活動に近い形で営業コストがかかりそうな…
岡崎 それがあまり大きな声で言えないんだけど、全くしてない。
聞き手 インバウンドなんですか?!
浅海 そうなんだよね。 不動産販売業をしている事業者様からHowMaのエンジンを貸してほしいと問合せをいただくようになったんだよね。
聞き手 なるほど~。
浅海 この時は、データ(API)の提供というコラビット史上初めての機会だった。 貴重なデータを提供しても良いものか…と岡崎と結構話し合ったなぁ。
聞き手 そうなんですね、確かにお気持ちわかります。。。
岡崎 最終的にはAPI提供をしようってなって。 導入企業さんがプレスを出して、他の企業さんから問い合わせがたくさん来るようになった。
聞き手 すごいですね。 本当に営業されていないんですね…
岡崎 不動産テックの企業様からも、「コラビットさん営業力強いよね」って言われるんだけど、ほぼしてないのが実情…。
聞き手 ちなみにですが、toB向けのサービス提供やマネタイズは「HowMa」を作っているときに予想なり計画はされていたんですか?
浅海 いや、toB向けのサービス提供は全く考えてなかった。 事業様向けにユーザーの送客をして課金させてもらうくらいにしか考えてなかった。
聞き手 それもすごいですね。(笑)
岡崎 とりあえず、会員数が1万人を超えたらマネタイズポイントも見えてくるんじゃないかな?って感じでやってた。
後半に続く